宝塚市立病院について

一昨年、市立病院の検査技師がアレルギー性疾患(シックハウス症候群)にかかり、労災と認定されたことについて、市から調査を委託された第三者の調査結果が明らかにされた。事故の発生原因としては、局所排気装置の換気能力が不十分であったことは明らかであり、問題はそれがなぜ不十分なまま放置されたか、ということである。調査結果によれば、年2回の作業環境測定において担当主査が(作業環境が不適切であるとの判定が出ないように)不正を行い、上司もそれを見逃していた、ということである。

私は、昨年12月の市議会で本件事故について質問したが、第三者に調査委託中であることを理由に回答を拒否された。第三者の調査結果を待つまでもなく(1年も!)、関係者が事実を隠蔽し、問題の解決を先送りしていただけの単純な問題であり、そんなことははじめからわかっていた。病院当局の当事者能力を疑わざるを得ない。

市立病院については、その赤字体質が問題であり(基準内の繰り入れをした上で黒字となったことがほとんどない)、今後どのように改革していくかが焦眉の課題となっている。伊丹市立病院のように他の似たような病院(近畿中央病院)と経営統合できればよいが、そのような病院は宝塚にはない。川西市立病院は民間の医療法人に経営を委託したが、看護師など職員の多くは民間に移籍せず、市の職員(事務職)として残ったので人事が大変だと聞く。今のところ、市立病院は赤字を最小限に食い止めつつ、現状のまま維持していくしかないように思われる。