二酸化炭素ゼロと原発ゼロ
最近、「二酸化炭素ゼロ」というスローガンが、声高に叫ばれるようにようになった。それにつれて「原発ゼロ」のスローガンはやや後退したように感じられる。福島の原発事故以来、反原発・脱原発の声は高まるばかりで、立憲民主党などの基本政策の1つにもなっていたが、最近の原油価格高騰で、その声の大きさはトーンダウンしてきたように思う。そして驚いたことに、朝日放送制作の「正義の見方」という政治解説番組でも、出演者の多くが「早急に停止中の原発を再稼働して、発電コストを下げるべき」との論調に傾いていた。
もともと「二酸化炭素ゼロ」と「原発ゼロ」は、絶対に両立させることができない命題である(と思う)。今や人類にとって電気なしの生活は考えられない。その電気をどうやって確保するか。さすがに火力発電所でガンガン石油や石炭を燃やして電気を作ればいい、という人はいないだろう。環境問題に少しでも関心があれば誰でも、太陽光や風力発電があると言うだろう。しかし、そういうものだけでは夜や風のない日は発電できないし、電気は作って貯めておくことができないのである。火力発電依存をやめる(減らす)ためには、どうしても原子力が必要ではないか(と思う)。そう考えて正月以来、原発について少々勉強した。特に「~が3時間でわかる本」は、読むのに30時間ぐらいかかったが、内容は充実していると思う。