議員は職業か

私は、議員を職業と考えるべきではないと思う。議員にとって重要なことは、自分が正しいと思う意見を述べることであり、選挙で当選できるか否かはその結果である。議員を職業と考えるならば、何よりも次の選挙で当選することが死活問題になる。そのために減税や福祉などの甘い政策ばかりを並べることは詐欺に近い。また、自分の支持者や自分が所属する団体の意見ばかりを代弁することは利権政治である。

議員を職業と考えない立場からは、地方議会は土曜・日曜に開催することが望ましい。そうすればサラリーマンなどとの兼職が可能になるので、報酬も日当でよいということになる。今のように選挙に出ることが大きなリスクではなくなるので、有能な人が多数立候補するのではないだろうか。

地方議会でも、審議すべき議案の数は国会並に多く、その全てを議員が理解することは困難なほどである。しかし、そのほとんどは国が決めたことを追いかけているだけで、自治体独自の重要な議案はそう多くない。そもそも地方自治体は、やるべき仕事が国の法律で定められており、財源も国からの交付金に依存しているため、独自の判断でやれることはあまりない。今、議会で審議していることでも、その多くを行政の判断にまかせてしまっても問題はなく、スッキリすると思う。

「職業としての政治」(マックス=ウェーバー:写真)という本があり、政治家必読の書ともいわれるが、「政治家にふさわしいのはいかなる人間か」をテーマとしており、私が上で述べたこととは方向が異なる。

前の記事

首長の後継者

次の記事

コロナと医療業界