街頭活動のための檄文:三訂
第一部 流れている通行人に向けて
私は宝塚市議会議員の田中大志朗でございます。私はご覧の通り、政党や、その他の組織、団体からの応援を受けることなく、あくまでもひとりの議員として活動しております。特定の政党や組織、団体からの応援を受けていては、市民全体のことを考えて行動することができないからであります。
私には、37年間のサラリーマン生活の経験がありまして、議員となる前は、神戸の民間企業でサラリーマンとして働いておりました。宝塚の市議会議員の中では唯一、60歳の定年となるまで長く、民間企業でサラリーマンとして働いていた者でございます。
宝塚の市議会には、市内の自営業者や農業関係者、市役所の職員、学校の先生たちの代表はいても、サラリーマンの代表といえるような議員はいません。大抵の議員は、自営業者の団体や労働団体、宗教団体などと関わりを持っていて、それらのために仕事をしていますが、サラリーマンや、サラリーマンを退職された市民とそのご家族のために仕事をしているような議員はいないと思います。
私は、宝塚の市議会にも、サラリーマンとして苦労をした経験があって、サラリーマンのために、そしてサラリーマンを退職された市民やご家族のために仕事をすることができる議員が、ひとりぐらいは必要であると思います。
第二部 立ち止まって聞いてくれる聴衆に向けて
私の議員としての活動方針は、「右でもなく左でもなく、無所属で中道を歩むこと」「市長との緊張関係を大切にし、たとえ1人になっても妥協しないこと」そして「いかなる団体とも特別な関係を持たず、つねに市民全体の利益を考えて行動すること」であります。
また私が、ひとりの政治家として大切だと思っていることは、「国民の自由と自主独立を尊重すること」「国やふるさとを愛すること」そして「福祉の向上だけでなく、その前に経済の成長や産業の発展も考えること」であります。
宝塚は今迄、宝塚歌劇や、中山寺・清荒神などの古寺名刹、そして山や川などの自然環境にも恵まれ、良好な住宅都市として発展してきました。しかし、経済の高度成長が終わり、低成長が長びくにつれて、かつての発展の勢いがなくなり、最近ではとうとう人口の減少がはじまっています。
人口が減れば、当然市民税などの税収が減り、その一方で社会保障などに要する費用が極端に増えているために、宝塚では、市がやるべき他の仕事におカネが回らなくなってきています。日本全国どこの市長村でも同じ問題に直面していますが、宝塚では特に深刻です。しかし、市長も他の議員も、この問題に真剣に取り組もうとはしておりません。市長や議員のこの危機感の無さ、問題意識の低さは、市長や議員を選挙で選んだ市民の皆さんにも責任があると、私は思っています。
市民でありながら、議会のことは何も知らない、関心もない、という人があまりにも多いのではないでしょうか。選挙にはきちんと行っている人でも、議会のことをしっかり理解できている方はそんなに多くないと思います。最近よく「選挙に行こう」「投票率を上げよう」などと言われますが、私は、市民の皆さんには、市議会のことをもっとよく理解した上で、投票に行っていただきたいと思っております。
現在の市長である山﨑市長は、立憲民主党、社民党、共産党の支持で当選されました。いわゆる革新系の市長といって差し支えないと思いますが、「あなたにオープン」という空虚なスローガンだけで、具体的な政策は何もお持ちではありません。
私もはじめは、「あなたにオープン」というスローガンが、なかなかいいスローガンだと思いまして、「市長は何をオープンにしたいのか」「予算をはじめとする行政のプロセスや、休日夜間、ほとんど利用されていない学校の教育施設などをもっと市民にオープンにしてはどうか」と議会で意見を述べてまいりました。しかし、市長の口から具体的な答弁を聞いたことは一度もありませんでした。ほかの議員からの質問にも市長は、ほとんど自分で答弁することがありませんので、今では多くの市民から「市長の顔が見えない」という失望の声が上がっています。
このような市長に対して、議会はしっかりと向き合うことが必要ですが、宝塚市議会には国会のような真剣な与党と野党の対立はありません。立憲、社民、共産の三党は当然市長支持であり、この3党に何の違いもありませんが、ほかの政党も、自民や維新などの保守政党でさえ、市長や他の政党ともできるだけ仲良くしておきたいらしく、真剣に対立することはほとんどありません。
例えば昨年度の決算認定議案に対しても、反対したのは私一人であって、他の全ての議員は賛成に回っています。賛成に回った理由はおそらく、「特別大きな問題はないし、反対討論をするのも面倒」ということではないかと思います。しかし、決算認定議案に賛成するということは、市長と行政がやってきた1年間の仕事の全てを異議なく認めるということであって、全面的に市長を支持するならともかく、そうでなければ議員は仕事をしたことにはならないと思います。
ひとりひとりの議員に注目して見れば、多くの議員は、自営業者の団体や労働団体、宗教団体などと関わりを持っていて、それらの支持や推薦を受けています。そのような議員にとっては当然、自分が関わる団体の利益を守ることがイチバン重要な仕事になりますが、それはとりも直さず、市民全体のためではなく、一部の市民のために仕事をしているということになります。
また多くの議員は政党に所属し、あるいはその支持、推薦を受けています。しかし、市町村の議会は、市民の生活に直接関わる身近な問題を議論する場であって、政党の主義主張やイデオロギーを持ち込む必要はありません。ひとりひとりの議員が、政党の主義主張にこだわることなく、市民の生活にとっては何が大切かを考えて議論すればいいはずです。
私は、前回の選挙では政党の公認候補として当選いたしましたが、現在は無所属の議員として活動しています。政党の中にいては、市民にとって何が大切かを考えた上で、自分の意見を自由に述べることができない、と感じたからであります。
市民全体の利益を考えて行動できるのは誰か。それは、無所属で、いかなる組織や団体とも特別の関わりを持たない議員だけであると思います。私はそのような立場で、37年間のサラリーマン生活の経験を生かし、右でも左でもなく、しっかりと中道を歩み、市民主体の政治を実現して参りたいと思っております。(終わり)