令和3年度決算認定に反対

 昨日(11月15日)、市議会本会議場で、令和3年度決算認定議案に反対する立場で意見を述べました。下記はその全文です。採決の結果、賛成多数(反対は私のみ)で決算は認定されてしまいました。決算を認定するということの意味は、下記の私の意見の中でも述べていますが、本来、市長を支持しない立場の自民や維新がどうして認定に賛成するのか、私には理解できません。(以下は私が本会議場で述べた意見になります。)

 先月末一週間にわたって開催された決算特別委員会では、私も委員の一人として分厚い決算成果報告書と格闘し、知恵を絞って行政の各ご担当者に質疑をさせていただきました。その結果確認できたことは、行政の各部門は、このコロナ禍にもかかわらず、概ねしっかりと仕事をされており、成果もあげられたということです。しかし、これから申し上げる2点については大きな課題が残されていると考えますので、令和3年度の一般会計歳入歳出決算の認定には反対とさせていただきます。

 まず1点目は教育において、市内の小学校を卒業する15%もの児童が、市内の公立中学に入学をしないという現実です。公立中学に入学をしない生徒の多くは、勉強に意欲ある生徒で、成績上位層といって差し支えなく、これだけ成績上位層がワタクシ立の中学に抜けてしまっては、公立中学は一体正常な教育ができているのかと、疑わざるを得ません。

 これはひとえに、教育委員会及び市内公立中学が、勉強に意欲ある生徒およびその保護者の希望に応えようとせず、放置してきたためであり、この点を改革すべではないかという私の質疑に対しても、改革の意欲に乏しく、あるいは仕方がないといった態度も見られました。公立の中学校は本来、誰にとっても近所の身近な存在であり、授業料もタダ、宝塚では日本一おいしい給食も出ます。それなのに多くの生徒に来てもらえないという現実はフシギです。教育委員会と市内公立中学は、もっと多くの生徒に公立中学に来てもらえるよう、努力すべきだと考えます。

 2点目は、市長と成果報告書に示された事業とのかかわりです。私は市長の最大の仕事は、選挙で掲げた公約を実現することだと思います。そしてそのことは、市長が市民との会合に参加するとか、市民からの手紙に自分で返事を書くというような単なる政治姿勢の問題ではなくて、成果報告書の中にきちんと成果として現れてくるべきものだと考えます。

 ところが、市長はこの膨大な成果報告書の中で、「あなたにオープン」という思いを込めて推進した事業が何であるかという私の質問に満足に答えられなかったし、答えようともされなかった。この質問は、他の職員よりもいちばん、市長自身がよくわかっているはずのことであり、そういう質問には市長が自分で答えるべきだと、私は何度か申し上げてきました。また委員会でこの質問をする数日前に、事前に質問を聞き取りに来た職員にもそう申しあげておきました。それにもかかわらず、市長はすべての答弁を職員にまかせきりにした。これでは私は、市長がこの1年間、満足に仕事をしたということを認めるわけにはいきません。

 以上の2点をもって、私は決算認定に反対といたします。 私の反対理由に違和感を覚える方もあるかもしれません。決算認定とはオカネの使い方の問題であり、オカネの使い方で特に問題がなければ、決算は認定すべきではないかと、考える人もいます。しかし、私は、議会における決算認定とは、そのような会計上の問題ではなく、1年間の市政と市長の仕事の全てを承認するかしないかの問題であると考えます。決算を認定するということは、認定した1年間の市政を全面的に承認するということであり、その1年間の市政が翌年にもなんらの反省なく継続されてしまうことを意味します。そのような意味で、市政そのものに大きな問題があると考えるときは、それがオカネの使い方に直接の関係はなくとも、決算認定に反対すべきだと考えます。以上で私の反対討論を終わります。(終わり)

2022/11/15 本会議場