市長の答弁拒否・回避

 3月18日は市議会予算特別委員会の最終日で、私には30分の総括質疑をする時間が与えられていた。私は、市長の予算に対する基本的な考え方を知りたいと思い、前日のうちに「できれば市長にお尋ねしたいこと」として、5項目の質問をまとめて秘書課に提出しておいた。市長に質問をするためにそのような手続きが必要なわけではないが、事前によく考えた答弁を聞きたかったからである。

 質問の概略は以下の通り。1.予算作成において、市長が最も留意したことは何か。2.予算作成において、山崎市長が中川市政からの脱却を目指された点があるとすればそれは何か。3.予算作成において、市長選挙のときのスローガンに沿った予算措置があるとすればそれは何か。4.予算作成において、市長が意識的に廃止した事業、または大幅に予算を減額した事業があるとすればそれは何か。5。予算の中で民生費が46.3%も占めているが、これについて市長はどのような認識を持っているか。

 いずれの質問も、市長が予算作成に関わっていればムリなく答えられる質問であると思う。しかし、経験の乏しい市長がひとりでこの質問に答えるのはシンドイかもしれんなあ、と思っていた。ところがそのような心配は全くの杞憂であった。いずれの質問も市長が自分で答えることなく、3人の部長が分担して答弁したからである。最後の1問ぐらい、市長が自分で答えられないのかと思って「市長はどう思うのか」と強く答弁を求めたところ、今度は副市長に答弁された。私が提出した質問状のコピーが、副市長や関係部長に配布されていたようである。

 うぬぼれかも知れないが、私が昨年、「市長は議員の質問にもっと積極的に答弁してもらいたい」と発言して以来、ごく控え目ながら、議員が市長の答弁を求めることが増えてきたように思う。しかし、大抵の場合、部長の誰かが間髪を入れずに手を挙げ、その質問に答えてしまう。おそらく、そうして市長をお守りするように、市長・副市長と幹部連中の間で申し合わせができているのであろう。これでは、あまりにもお粗末であると思う。山崎市長は、昨年の選挙で「あなたにオープン」ということを第一のスローガンにして当選されたはずである。これは市民との交流や意見交換を大切にするという意味だと思うが、まず議員に対してオープンでなければ、そんなことができるはずがないではないか。