日銀がヤバい
経済のことはよくわからないが、金融評論家の藤巻健史氏によれば、日銀が相当ヤバいことになっているらしい。藤巻氏は、日銀による国際の爆買いなど、異次元の金融緩和についてずっと警告を鳴らし続けてきた人であるが、同氏によれば、先週日銀が国債の無制限買いオペを発表したことは、いよいよ日銀が危機的状況を迎えたからだという。今「円」の金利は、日銀が金融緩和を続けているため非常に安くなっているが、米国などが金融緩和をやめてドルなどの金利が上がり始めたため、「円」の金利も上昇傾向にある。そうなると日銀が大量に抱え込んでいる(利回りの低い)国債の価値が下がってしまい、日銀は債務超過に陥る(=破綻する)可能性が出てくる。日銀のやろうとしていることは、それを回避するためのなりふり構わぬ買いオペ(=国債の買い支え)なのだという。
日銀の危機的状態は、先日の国会・金融財政委員会における野田佳彦氏(元総理)と黒田日銀総裁とのやりとりにも如実に現れているという。私もネット中継を見たが、いつもはフテブテしいぐらいに余裕を見せている黒田総裁が、実に弱々しく映し出されていた。そして、野田佳彦氏が金融緩和の出口戦略について「どうオトシマエをどうつけるつもりか」と尋ねると、「当初の2%のインフレ目標を達成できない以上、まだ出口戦略を語る時期ではない」と、いつもの答弁を繰り返した。黒田総裁は今迄9年もやってきて残りの任期は1年である。当初は2年で達成できると大ミエを切っていた2%のインフレ目標が全然達成できないばかりか、アトのことは何も考えていないという。これほど無責任な日銀総裁はない。アベ総理にしろこの人にしろ、長くやったからエライというものではないという、見本ではないか。
それと、どうもよくわからないのが、国の財政や日銀の危機的状況について、大学の経済学者がほとんど何も発言していないことである。経済のことなど少々勉強したぐらいでは何もわからないというのが私の実感であるが、もしかして、大学の経済学者もよくわからないということか。MMT理論(政府はいくらおカネを印刷しても何の問題もない)などという経済理論や、それを拠り所とする山本太郎などという政治家がまかり通ってしまうのもそのせいではないか、という気がする。