決算特別委員会

 10月21日から28日にかけて開催された決算特別委員会に、委員として出席し、意見を述べました。決算特別委員会は、前年度(令和2年度)の決算を承認するか否か審議をする場ですが、決算に関連して、市政のあらゆる問題について質問をし、意見を述べることができる場でもあります。細かい質問は別にして、総括質問では、市政上の大きな3つの問題について意見を述べました。

1.いわゆるハコモノについて:宝塚市には、図書館や公民館などのほか、ソリオホール、ベガホール、男女共同参画センター、文化芸術センター、手塚治虫記念館・・など、必ずしも全ての市民が利用するとは思われない施設が多数あり、それらを維持するために多額の税金が投入されています。このうち、ベガホールやソリオホールについては、まだ総合的な市民ホールがない宝塚市にとっては必要な施設であると、理解できます。男女共同参画センターは、男女平等社会の実現を推進していくための施設と理解しますが、施設の利用のされ方を見ると、とてもそのような目的で役に立っているとは思えません。文化芸術センター手塚治虫記念館は、映画館や遊園地などと同じ様に、チケットを買った人に利用してもらう施設です。市の文化と市民の教養を高め、市を観光地として活性化する効果があるということですが、疑問に思っている市民は多いと思います。文化芸術センターについては、もっと市民に利用しやすい施設にしてコストを下げるか、展示作品の即売などを行って、入場料以外の収入も多角的に「稼ぐ」ことを提案しました。

2.環境・エネルギー問題について:市は、再生可能エネルギー導入推進事業として、市民の環境問題に対する意識の向上と、それに基づくライフスタイルの実践により、温室効果ガスの削減を図る取り組みを行っており、その成果として、これまでに市内全体で4000カ所以上の太陽光発電設備が設置されたことをうたっています。しかし、太陽光発電は、火力や原子力に代替できるような安定したエネルギー源ではなく、太陽光発電だけを推進することは、環境・エネルギー問題に対する十分な解決策とはなりません。また、原子力は、政治上の問題として未だ様々な意見が交わされている問題であり、それ以上に未来のエネルギーの問題として今後も議論を続けるべき問題であって、市が「原子力は廃止すべきである」というような一方の政治的立場に与するかのような印象を、市民に与えてはならないことを意見として述べました。

3.小・中学校の教育について:宝塚市内では、公立小学校を卒業して私立の中学に進む生徒が毎年15%程度います。この数字が多いか少ないかということより、この意味するところが重要です。私立中学に進む生徒はどういう生徒か。その結果として公立中学は、果たしてどのような学校になっているのか。公立中学には本来、勉強のデキル子やスポーツの得意な子、中には不良がかった生徒などいろいろな生徒がいて、未来の社会の縮図の中で人間として鍛えられるところが大きなメリットだと思います。私個人の意見としては、義務教育を終えるまでは、みんな平等に公立中学で学ぶべきであるとすら思っています。ところが今日のように、デキル子どもがみんな私立中学に進んでしまって、公立中学では誰にもわかるようなことしか教えてもらえないのであれば、公立中学の生徒は私立中学の生徒に、勉強で大きなハンデを負ってしまうことになります。公立中学を、もっとしっかり勉強できる、魅力ある学校にするべきである、ということを意見として述べました。

 以上の意見を述べた上で、決算を承認するか否かの採決では、承認しないことと致しました。決算を承認するか否かは、単純に決算書を承認するか否かの問題ではなく、市の1年間の行政を是認するか否かの問題でもあります。私は、到底是認することはできない、と考えています。

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