反自民 反左翼

自分の政治的スタンスを手短かに答えるとき、私は「反自民、反左翼」と答えることにしている。この意味と理由を簡単に説明しておきたい。

自由と平等は民主主義に必要不可欠の要素であるが、それぞれをつきつめると両立することはできない。その場合、私は、平等よりも自由を採る。そして経済上の自由主義は、自由のために必要不可欠な制度であり、今日の自由主義経済は基本的に維持すべきものと考える。従って、私の政治的立場は基本的に「保守」になる。「保守」は、自由主義経済だけでなく、先人が築き上げてきた今日の諸制度を尊重し、急激な改革はしない。また、個人の福祉は、それぞれが自由に努力して獲得するもので、自助努力が重要と考える。米国の政党でいえば、私の立場は民主党よりも共和党に近い。日本では、保守政党といえば自民党であるが、今日の自民党は世襲議員ばかりで、国益ではなく政治屋としての自分達の利益しか考えていない。自民党は、保守政党としては完全に墜落しており、容認できない。これが、私は「保守」ではあるけれども「反自民」である理由である。

一方、「保守」と根本的に対抗する勢力が「革新」である。「革新」の人々は、自由よりも平等が重要と考える。そして、経済における自由主義は結果的に不平等をもたらすから、社会主義経済が正しいと考える。「革新」は、今日の自由主義経済を根本的に改革すべきであると考えているからこそ「革新」なのである。また「革新」勢力は、フランス革命以来の伝統として、国会では議長席から見て左側の議席を占めているので「左翼」といわれる。既に述べた通り、私は「保守」の立場に属するので、当然「反左翼」になる。

日本の「左翼」としては言うまでもなく、社会民主党、共産党がある。立憲民主党については、枝野代表は自分のことを保守本流と言っており、岡田克也氏、野田佳彦氏なども立派な「保守」であるが、旧社会党から合流してきたメンバーなどは「左翼」である。地方、特に関西では、立憲民主党は「左翼」が多数派を占めており、「保守」の居場所はない。これが、私が立憲民主党を離党せざるを得なかった理由である。以上、私なりの「左翼」に対する認識を述べたが。いざ「左翼って何?」と聞かれると、実は心許ない。今日では、社会党も共産党も社会主義経済など目指していないではないか。「左翼」なんて存在するのか。最近の自民党こそ「左翼」ではないか。これらの疑問に対する手引きとして、実にわかりやすい本が出版された(写真)。さすが、池上彰氏、佐藤優氏が執筆しただけのことはあると思う。

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