立憲民主党の迷走
今日から告示される兵庫県知事選挙で、立憲民主党が金沢和夫氏を応援している。伊丹や宝塚の街頭で連日、本人もいないのに県議や市議が金沢氏をPRする力の入れようである。言うまでもないことであるが、金沢氏は現職の井戸知事の部下であり、分裂したとは言え自民党県議約30人が支持するレッキとした保守系候補である。その金沢氏をなぜ、立憲が応援するのか。立憲の県議(相崎佐和子氏)のFBを見ると「熟慮の結果、誰も応援しないわけにはいかないので金沢氏を応援する」とのこと。私も対立候補の斉藤氏より金沢氏の方が、行政マンとしての実績も完ペキで知事としてふさわしいと思うが、そんなことは立憲などの野党が評価するポイントではないだろう。しかも金沢氏本人は、どの党からも推薦はいらないと言っているのである。
先般行われた宝塚市長選挙では、立憲民主党は社民党や共産党とともに、実績が何もない山崎氏を応援した。山崎氏を応援した理由は立憲にとっては明確で、山崎氏が中川前市長の後継者であること、そして来たる国政選挙ではその中川前市長とその後継者の応援を得る必要があることである。しかも、立憲の党員(特に宝塚)はつねに社民党や共産党と協調関係にあり、山崎氏を応援するのが当然という雰囲気があった。しかし、山崎氏は選挙活動中から「完全無所属」と繰り返し明言し、当選後も「全ての政党に等距離をおく」「自分は中川市長の後継者ではない」などと公言している。市民にとってはその方が望ましく、山崎氏本人にとってもその方が好都合なことかもしれないが、これでは立憲が山崎氏を応援した甲斐は何もなかったことになる。市長選の直後の県議選で肝心の立憲の公認候補が落選したのは、その一つの現れであると思う。