宝塚市の予算について

今月19日は今年度最後の本会議が開催され、来年(令和3年度)の一般会計予算、病院事業会計予算などの重要議案が討論、採決された。少しおそくなりましたが、その報告をさせていただきます。

「宝塚の財政は大丈夫」などと現市長派やその後継者が言い囃しているがとんでもないことである。宝塚は公共施設の陳腐化・老朽化が進んでいることは、誰の目にも明らかであるが、一般会計予算を見ると財政の苦しさがよくわかる。市町村も一般家庭と同様に貯金を行っており、財政調整基金、市債管理基金、都市計画事業基金などと用途に応じて積み立てている。宝塚はこれらの貯金を使ってしまって、残りは少ないのであるが、来年度の積み立予定金額はゼロ。数年後には新しいゴミ焼却設備も建設しなければならず、その費用は300億円以上かかるというのに、来年度、そのために積み立てる予定金額はわずかに70万円である。どうしてもその程度の金額しか捻り出せないらしい。

市の財政悪化は今にはじまったことではなく、私などはそれを市民の前に明らかにして、理解を求めるべきであると訴えてきたが、市当局はできるだけそれを避けてきたように思われる。前回の選挙で、現市長は借金を減らしたと胸をはっていたが、実は貯金もほぼ同額を減らしていた。これからは借金だけが激増していく見込みである。市の広報誌の3月号で、市の財政が2ページに渡って紹介されており「おおむね良好な行財政運営をしています」などと説明されているが、虚言に等しい。市長に対する忖度があると思われるが、当局のこのような姿勢がある限り、一般会計予算には反対せざるを得ない。

病院事業は、いままでほとんど黒字になったことがなく、令和元年度の決算は、4億円もの基準外繰り入れを行って乗り切ったところである。公立病院は法律に従い、市町村の一般会計から一定の補助を受けることが認められているが(基準内繰り入れ)、それだけでは足りないときに行うのが基準外繰り入れである。宝塚市立病院は抜本的な改革を行わない限り黒字化できる見込みはないと思われるが、病院事業会計予算を見ると、過去のいちばんいいときの入院患者数、医療単価などの数字を採用して、達成できる見込みのない黒字予算を組んでいる。決算は確実に赤字である。私は、病院が抜本的な改革をなされない限り、予算も決算も承認するわけにはいかないと思う。

宝塚のゴミ焼却設備(数年後に建て替え)

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