三菱電機のパワハラ

 三菱電機で上司のパワハラにより社員が自殺をしたことが労災に認定されたということである。上司から「自殺しろ」「おまえが飛び降りるのにちょうどいい窓がある」などと言われたらしい。誰でも仕事がうまくいかないとき、上司からこんなことを言われたら耐えがたい。しかし、自殺するほどのことなのか。上司がいくらイヤになったとしても、単純に会社を辞めるだけでその上司との関係を絶つことができるのである。 

 私もサラリーマン時代は気が利かない男だったので、上司からかなり罵声を浴びせられた方である。あるときは「オマエみたいなヤツよりも、女の子の方がよっぽどいいよ」などと言われてしまい、ひどく落ち込んでしまった。(女性の方、ごめんなさい。当時はまだ女性の総合職などほとんどいなかったのです。) 

 若かりしとき、工場にいて上司よりもコワかったのは現場の係長クラスである。生産に必要なモノを調達する部署にいたとき、予定どおりにモノが入ってこなければ、当然現場の係長が飛んできてやいのやいの言われる。あるときは「明日までに○○を100個もってこい」と言うので「ムリです」と断ったら「それでメシが食えると思うな!」と、ドスのきいた声で大喝された。 

 そんなことが朝から夜中まで続くだけでなく、工場が赤字で明るい見通しが何もなく、自分の将来にも希望が持てなくなっていた。でも「死のう」なんてことは考えたことがなかった。仕事を辞めてしまえば、そんな悩みは全て解決してしまうからである。ただし、当時はまだ転職が一般的でなく、もうマトモな社会人ではなくなってしまうかもしれない、という恐怖はあった。

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